コラム3】 なぜ日本の住宅は寿命が短い?

家も使い捨ての時代

1.日本の住宅の寿命はたった26年

日本の住宅は、人口あたりの新設着工数が多いこと、住宅の寿命が短く、取り壊されている数が多いことが特徴です。

日本の住宅の寿命は約26年です。
アメリカの約44年、イギリスの約75年と比べて非常に短くなっています(平成8年度版の建設白書より)。

消費大国のアメリカより短く、30年も経たずに壊されているなんて・・・ちょっとショックな話です。日本の住宅は、長く大切に使うのとは逆で、家も大量に生産され、大量に消費(撤去)されているということなのです。

もちろん、撤去する際には大量のゴミを排出することになります。

森林を伐採し、地球上の貴重な資源を使ってつくった家が、たった一世代という短い時間で捨てられてしまう。

悲しいことに、家ですらも使い捨ての時代、となってしまいました。
 

手入れをしながら、使えるものは最後まで大切に使う、といったモノを大切にする心が、私たち日本人には自然とあったように思います。

そんな​私たちのモノを大切にする精神、自然を敬う心はどこへいってしまったのでしょうか?

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2.なぜそんなに寿命が短いのか?

その1)住宅自体の耐久性の低下
 

戦後日本の気候・風土に合わない工法を採用し、また合わない素材を使うようになったことが要因にあります。

たとえば、現在大量に使われている「合板」は、数十年経つと強度が落ちます。
接着剤で張り合わせてある合板は、新しいときには強度があっても時間をかけて湿気を含でいくと強度が極端に落ちてしまうのです。

日本では長い歴史の中で、職人さんが自然の持つ素材のよさを生かして、木組みの技術を受け継ぎ、風雨や地震に100年以上耐えうる家をつくってきました。日本には世界最古の木造建築が未だ存在することからも分かるように、日本の気候風土の中で耐えうる木造の家の技術が受け継がれてきたのです。

そういった家づくりでは、木と言えば無垢の木のみで、合板や新建材は使われていませんでした。
新建材など存在しなかった時代には、周りにある自然のものを使って壁をつくりました。土壁も木と相性が良く、構造材が長持ちすることを助けます。


ところが戦後、合板が大量に使われるようになり、柱などの構造材をふさいで隠してしまうことにより、家の寿命は一気に短くなることになります。たとえ柱や土台、梁などが無垢の木であっても、仕上げ材で蓋をされて隠れていることで、湿度が高い状態の置かれ構造材が腐ってしまいます。床に無垢のフローリング材を使っていても、その下地には合板が使われます。屋根の下地や、壁の下地にも使われます。

問題は、日本は湿度の低い海外と違って、雨が多く、湿度が高いということです。
それなのに、湿度に弱い合板を遣ったり、柱を隠して蓋をしてしまい、呼吸のできない腐りやすい状態をつくってしまっているのです。

これでは20年、30年が経過すると家の耐久性は低下して、結果的に寿命は短くなってしまう。

合板下地を張った床が所どころへこんでいるし、​仕上げ材をはぐって内部を見てみたら、土台や柱の足下が腐っていた!


「壊して新しく建てよう」ということになってしまうというわけです。

その2)建築業者の新築建てたい心理
 

新築数を増やしたい住宅メーカーは、当然新しく家を建ててもらいたい心理が働きます。

規格化しにくい古い建物のリフォーム等は扱っていないので、当然新しい家をどんどん建てようとします。
 

大手メーカーより規模の小さい地元の工務店では、改装やリフォームなどの工事も扱いますが、できれば新築を建てたいという気持ちが働きます。
リフォームでは施工上での時間の制約があったり、予測がしにくい部分が多くあります。また正確な見積が難しいこともあり、手間がかかることから最終的に新築よりも利益が削られてしまうケースが多いからです。

​古い家を残したいとリフォームの相談をもちかけても、結局業者にすすめられて新築になってしまった、ということはよくあることです。