愛媛県東温市の理想的な小さな平屋、手刻み中の大工さんの工場を訪ねました。
藤井建設の大工・藤井君の工場を訪ねました。
建前に向けて手刻み中です。
この入り口から絵になるなあ。
現場では基礎工事が進んでいます。この日は配筋検査に立ち会いに行きました。
藤井建設の工場では大工の藤井君が手刻みの作業を進めています。建前までは余裕を持って作業計画を立てているようで、焦りもなくゆったりとした空気が流れていました。
現在の家づくりはプレカットが主流ですが、若いのに「手刻み」を選んでいる大工さんで、木を扱う技術が素晴らしいんです。使う構造材も人工乾燥の材とは見た目が違って、この天然乾燥材は本当にきれいです(色と脂の乗りが違う)。梁のせい(高さ)も大きく、プレカットと違い継ぎ手部分の加工が複雑です。
この大工さんたち(一緒に仕事をしている手刻みの大工さん)はピリピリしないんですよね。建前を前に緊張はもちろんあるんだろうけど、みんなイライラやピリピリした空気は出さないんです。そこにいつも感心している私です。
建前の前の追い込みだろうから邪魔をしないようにしなくては、と思っていたのですが、当の藤井君がのんびり迎えてくれました。
藤井君は大工としての腕も素晴らしいのですが、デザインセンスが抜群で、美意識も高いんです。まだ30代でこれからが楽しみな大工さんです。
私がこの道具箱に興味を示したら、中を見せてくれました。この道具箱はもちろん、藤井君の手作りです。こういう細部を見ると、いかにきれいな手仕事をするか分かりますね。
手で持つ部分も加工してあって持ちやすそう。蓋の材は、年輪の細かい柾目が使われています。
中にはさらに箱があり、鑿(ノミ)がきれいに並べられていました。まさに仕事ができる職人さんを象徴している道具箱でした。
こちらも藤井君の手作り。この台をつくる技術を競う大会に出場するそうで、その練習用につくったもの。 「平野さん、一つあげますよ」と気前のいいこと言う藤井君。
ちゃっかり一つ事務所に持ち帰ってきました。
美しいディテール。精度の高さが分かりますね。
理想的な小さな平屋・木組みの家、次回は建前の様子をお伝えします。
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