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【新築T邸-2】大工さんの手刻みの仕事

  • 執筆者の写真: 平野 裕子
    平野 裕子
  • 7月12日
  • 読了時間: 3分

愛媛県松山市の郊外にある北条の海沿いの新築住宅。 プランの打合せ、設計、契約、確認申請許可取得と順調に進み、いよいよ工事の準備に入ります。

今回は手刻みの現場をたっぷりとご紹介します。



1.構造材の確保に走る


水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材
ここにあるのは自然乾燥させている材

現在よく使われている集成材や高温乾燥の木材と違って、自然乾燥の無垢材を確保するのは簡単ではないんです。

契約後すぐに質のいい無垢材を確保するため、大工棟梁の村田さんが奔走します。



水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材

この日ゲットしたのは、5寸角(150mm角)の化粧の通し柱


今回、構造材は梁だけは低温乾燥材を使いましたが、柱はすべて桧の自然乾燥材をそろえることができました。棟梁村田さんが手間を惜しまず動いてくれたおかげです。





2.手刻み中の現場へ


いよいよ構造材の手刻みがはじまります。


水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材 大工道具
構造図を見ながら納め方を考える棟梁の村田さん。手刻み用のノミがズラリと並ぶ(これでもまだ一部)

家一軒分の継ぎ手を全部頭の中に入れなくてはならない村田さんの頭の中どんなになってるんだろう・・・。大工さんて頭もよくなきゃできない仕事だなあ。


水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材
きれいな桧の化粧梁

各部材をどのように刻むか、墨付けを考えるだけでも難しい作業です。


さて、いよいよ刻み作業開始です。


水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材
この長いノミは手刻み用のもの。現在の木造住宅のほとんどがプレカットなので多くの大工さんは持っていない道具です。
水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材手刻み 木組みの家 自然乾燥材
プレカットと違って複雑なのが分かりますか? 込み栓を入れる穴があるのが木組みの家の特徴の一つ。

真剣だけどピリピリしていない(村田さんだものね)、穏やかな雰囲気で作業が進みます。何しろ、村田さんはスキルが高くて仕事が早い、そして誰にでも親切で有名ですから。




3.若い見習い大工さんが加わった


手刻み期間中、大工を目指す若者、竜くんが入ってくれました。

水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材
埋木のやり方を教える棟梁の村田さん



水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材
何をやっても楽しそうな竜くんと、親心がにじみ出るうれしそうな村田さん

4.お施主さんが見学にやってきた


水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材
施主のTさんご夫婦が手刻み見学

水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材

通し柱と梁がどう組み合わされるか、実物を見せながら村田さんが継手について説明します。

水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材

村田さんが道具の説明をはじめました。


水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材

この鉄肌がね、とってもいいんですよ。これを見ながらいい酒が飲めるんですよ、と村田さんの道具愛があふれてきて、みんな思わず笑いにつつまれます。



5.仮組みと鉋掛けで最後の仕上げ


水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材

刻み終わった部材を仮組みします。建前の本番では間違えがないように、事前に確認する作業です。



水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材

最後の仕上げは化粧柱の鉋掛けです。化粧柱は、仕上がりで見せる柱で、節のないきれいな桧です。


水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材

竜くんも真剣なまなざしで鉋掛け。


水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材

建前までに余裕をもって刻み作業は終わりました。


水と木の間で 手刻み 木組みの家 自然乾燥材

顔をしかめたくなるような変な臭いのする高温乾燥材と違って、桧のすがすがしい香が漂います。


さて、建前までのカウントダウンがはじまりました!


つづく

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2020 by 水と木の間で

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