2月16日座談会イベント「結露を学ぶ」を終えて
- 平野 裕子
- 2月19日
- 読了時間: 4分
更新日:3月24日

先日開かれた「環境と暮らし」がテーマの座談会では結露について学びました。
事のはじまりは「雨漏り!?」と間違えた結露から
自然素材の空間に事件が起きた!!
その事件が学びの大きなきっかけになったのですが、それまでにもここ最近は、お施主様や知り合いから、壁にできたカビに悩む相談を頻繁に受けるようになっていました。 ・コンクリートの賃貸マンションの壁に一面のカビ
・木造土壁の家の収納内にカビ
・漆喰の壁にカビ
・高気密高断熱の自然素材新築住宅にカビ
そう、コンクリートだけでなく自然素材の空間にだって結露も起こればカビもできる!「自然素材は調湿効果があるから結露は大丈夫」なんて短絡的で一面的なことを言っていたらプロとして失格だ、と思い知らされたのです。
ペアガラスの内窓を取り付ければいいってもんじゃない!
暮らし方だって大事だし、何より結露の仕組み知る必要がある。
「根本から学ばなければ!!」と研究者の本を読み漁り、結露実験装置をつくり、家を実験場にした今年の冬。
これは私がこれから家づくりをする際にとーーーっても貴重な学びでした。
知っているだけで今後の暮らしが変わる、そんな結露について学びを共有しなければ!との思いで開催したのが座談会シリーズ第10回「結露を学ぶ」でした。

現在暮らしている家でどのように対策できるか
結露に関して根本原理を学んだ今、共有したいことが山ほどあって、家づくりに関わっている人には特に知ってほしい(作り手が根本の仕組みを知ることで施工にすぐに応用できるから)と切に思っていますが、同時に、様々な住環境で実際に暮らしている人の話を聞きたくてうずうずしている私。 大工さんたちとは後日共有する機会をつくるとして、今回は家のつくり方、結露対策をどのように施工に取り入れるかといった専門的な話はせずに、あくまでも「現在暮らしている家で、どのように対策できるか」を自ら考えられるような知識を得てもらえるような内容にしました。
日々の暮らし方で大きな差が出る結露。学ぶことで暮らしの知恵がつき、快適な住環境、長期に渡っては、家の老朽化も防ぐことにつながります。

《今回の座談会をやってみての感想》
地味な内容だったためか、これまでで一番人が集まらなかった今回の座談会(私個人はかなり気合が入っていたのですが)。それでも終わった時には「やって本当によかった」という思いを強くしました。参加者の方からの反応や手ごたえを感じられただけでなく、貴重な話を聞くことができました。
例え一人のためだったとしても、どれだけ真剣に向き合うかが大切というのを改めて実感した今回の座談会でした。

実際に住んでいる人の悩みを聞くのが一番の学び
家づくりが終わり、実際に暮らしてみてはじめて分かったこと、日々の暮らしの中で感じること、変化する気持ちなどをシェアしていただけたことが、私にとってこれ以上ない貴重な学びとなったのです。実際に建物が出来てから、年月が経って感じることなどは、普段時間をとって聞く機会があまりないけれど、それがどれだけ大切かを改めて考えるきっかけとなりました。
何が本当の幸せなんだろうか、という原点に立ち返る
どんなにこだわった理想的な家を目指しても、それがその後の心豊かな暮らしにつながるとはかぎりません。快・不快の積み重ねは日常での気持ちや幸福度に大きな影響を与えるものです。もちろん、その快・不快の感じ方も人それぞれ違います。何を選んでも一長一短があります。でも大きなストレスを抱えながらの生活は、頭で考えた「理想」という輝かしい言葉を、むなしいものにしてしまいかねません。
自分自身の仕事の姿勢ややり方も改めて考えさせられた会になり、大変有意義な時間となりました。

次回の座談会「暮らしの中の木のはなし」も楽しみです^^
Comments