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執筆者の写真平野 裕子

これが現実。ビーチクリーンへの考えが変わった理由

更新日:2021年10月15日


|ビーチクリーンと聞いても危機感がなかったけれど


何年も前に「ビーチクリーン」をしている人の話を聞いたとき、ゴミの落ちていないビーチありがたいな、うれしいなくらいにしか思っていませんでした。

マイクロプラスチックのことは耳には入るようになっていたけれど、自分から掘り下げて学んだことはありませんでした。 友人のウサコちゃんが熱心にビーチクリーンをはじめてから、プラスチック問題についての話がよく出るようになりました。 そこで私もプラスチック問題について調べてみようと思い立ち、去年の秋から本を読んだりドキュメンタリーを見ました。 そこにはこんなにひどいことになっているのか!という衝撃の事実が・・・




|見ようとしなければ見えてこない現実

プラスチック・オーシャンというドキュメンタリーの中で、海鳥の研究をしている女性が浜辺で死んでいた海鳥を見つけます。 胃の中を調べると237個ものプラスチックの破片が出てきました。たった一匹の小さな胃の中からです。プラスチックの量は体重の15%を占めていました。 分解することもできなければ体外に排出することもできず、胃の中がプラスチックでパンパンになっていたのです。

これは特別なケースでなく、すべての海鳥の90%以上は、プラスチックを飲み込んでいる と推定されています。 海鳥の研究者であるその若い女性は言います。「この生物の置かれている環境を知れば知るほどこのひどい現実に打ちのめされる」。


こんなにきれいに見える海なのに・・・

大げさではなく私たちの地球、そして海はもうすでにプラスチックで汚染されまくっているのです。



|わたしたちが追求してきた便利さや効率の上に犠牲になるものたち


人間以外のすべての生き物は環境を破壊しないように生きています。人間が便利さや効率を求めてつくりだしたものによって苦しんでいる生き物たち。


プラスチックで胃が膨れ上がった海鳥




漁網にからまるアザラシやイルカ (漁網はプラスチック製)


プランクトンと間違えてマイクロプラスチックを食べるエビや稚魚、そのエビや稚魚を食べる魚、プラスチックがつまり苦しんで死んでいくクジラ・・・。プラスチックは地球上の生物たちを苦しめている。


|わたしたちももれなくプラスチックを食べている

海域によってはプランクトンと同じ量のマイクロプラスティックが検出される場所もあるそうです。 大西洋の深海魚を調べると233匹調べたうちの73%からマイクロプラスティックが見つかりました。そして汚染されていないと思われていた北極の海氷からもマイクロプラスチックが検出されています。


食物連鎖でつながる私たち人間も、もれなくプラスティックを食べている。 すべてはつながっている。


|見た目だけでは分からない衝撃の事実



現在水と木の間でショールームがあるここ愛媛県松山市。海まで徒歩10秒の場所にあります。


近所にはきれいなビーチがたくさんあって、東京から移住してきた私にはパラダイスのような場所です。




近所にある鹿島のビーチ



ところが、こんなにきれいな瀬戸内海も 海流により陸から見えない海岸にゴミが大量に流れつく場所が数多くあります。


膨大な海ゴミを掃除し続けている岩田さんを追った南海放送のドキュメンタリー番組。



信じがたいことに、瀬戸内海だけでも年間4500トンのゴミが流れ込んでいるのです。





|プラスチックはなぜ問題になるのか?


私たちの生活の中で大量に使われているプラスチック製品。 飲んだあとのペットボトル、食品トレーやビニール袋、食べた後の惣菜や弁当の容器。 ゴミ箱に捨ててゴミの日に出せば、もしくは毎日ビーチクリーンをしているウサコちゃんに見つからずにこっそり浜辺に置いて帰れば、自分の目の前からは消えるかもしれません。そしてあなたの目の前から消えてなくなれば、そのプラスチックの行き場なんて考えることもないでしょう。 プラスチックの一番の問題は、完全に分解されることはなく自然に還ることができない

という点です。

土に還らず半永久的に土壌に、海洋に積もり積もって地球を汚染していくのです。


これまでに生産された大量のプラスチックは、埋め立て場であれ海の中であれ今でも存在し続けているのです。捨てていい場所などどこにも存在いないのです。実際に日本では捨て場がなくて困っている現状がある。

世界的動物学者のアッテンボロー氏はこう言っています。

地球全体が人類の住み家です そして地球の大半は海です 海が破壊され機能を果たさなくなればすべての生物が危機に陥るでしょう


ビーチクリーンをし続けるウサコちゃん




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