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家づくりに一番大切なのは

これまでのやり方で、本当にいい家づくりができるのか?

1.いい家をつくるための絶対条件

いい家をつくるための絶対条件

それはズバリ、つくり手です。

設計士にデザイン能力があっても、どんなに熱い想いがあっても、最終的にそれを形にするのはつくり手です。そして設計士が本当に材料一つ一つのことや、施工上の納まり、将来のメンテナンスのしやすさのことを分かっているかといえば、そんなことはありません。いい家をつくるには、施主と設計士の熱い思いだけではだめなんだ。家というのは、設計士の自己満足のための作品ではない。工務店で注文住宅の設計・監理を担当していた時に、ずっと感じていたことです。

施主→(営業)→設計士→施工会社→職人


この流れを見ても分かるように、施主と設計士の距離は近くても、職人さんとは離れています。このような通常の家づくりの流れに、「このやり方で本当にいい家ができるのか?」と疑問を持つようになりました。

2.施主と設計士、職人の「家に対する想い」は大きく離れている

直接家をつくる職人さんたちは、喜怒哀楽を持つ人間なので、仕事に対する気持ちや心の込め方が家づくりにも大きく左右することになります。

施主と何カ月にも渡って打ち合わせし、こんな家でこんな暮らしをしたいという熱い想いを共有している設計士と違って、実際に自分の手を使ってつくる職人さんがその思いを共有することはありません。

想いを共有する施主と設計士(夢いっぱい、気持ちは熱い) 

​それに対し、
すでに出来上がって与えられた図面をもとに施工する職人(こんな凝ったデザインでめんどくさいなあ、なるべく手間をかけたくないのに)という気持ちの上でのギャップが生まれてしまうのです。

顔の知った大工さんに直接頼む、という方法でなければ、つくり手と直接やりとりすることはありません(あったとしても現場で大工さんと顔見知りになって話すようになるくらい)。

 

設計監理者からすると、職人さんたちをいかにうまく動かすか、という部分が重要な仕事になってくる。でも仕事をするつくり手からしたら、「動かされる」のと「自らの気持ちで動く」のとは大きな違いが出ます。大工さんだって、寡黙であっても自分の意志と胸に秘める熱い気持ちを持っている一人の人間です。

 

かといって、大工さんだったら誰でもいいわけではありません。新建材を使って技術のいらない作業をする大工さんもいれば、木の性質を読み取って材を選び、手刻みで加工し、風雨や地震に何世代も耐える家をつくる腕があり心意気のある大工さんもいる。

この技術があり心意気のある大工さんを探すのは、今の時代とても難しくなっています。なぜなら安く早くといった現在の大半の家づくりでは、そんな大工さんは求められていないからです。

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3.疑問とジレンマを抱え、たどりついたのは・・・

もう一つの疑問は・・・
設計士は、どう見せるか、どんなデザインにするか、ということに重点を置く傾向があります。
実際には自然素材を使った住宅をつくりたいと思っている人は多いのですが、大きな視点で地球環境まで考えたり、材料一つ一つがどんなプロセスをたどり、廃棄するときにはどんな問題が起こるかまで考えている人はほとんどいません。日本の木造住宅の寿命(壊されるまで)は約30年。出す大きな家を一軒撤去するだけでも大量のゴミが出ます。土に還らない建材を大量に使って建てられている現代の住宅。家づくりがゴミづくりになっている現状大きな疑問をもつことになりました。

使う建材一つで、地球環境にもそこに住む人の健康にも影響を与える。そしてその材料に直接手に触れ、施工する職人さんたちの健康にも影響を与えることになります。それなのに、見せ方や納まりに気にかけても、材料の仕様を決める設計士が、大きな視点で本当の意味で地球環境、その家に関わる人たちの健康を見ることができてていないんじゃないか。

私は20代に地球環境と健康、暮らしに興味を持ったことから、これまで寄り道をたくさんしてきました。その後、建業界に飛び込み、工務店で約8年間の設計監理の仕事、そして独立してからの数年間の設計事務所での仕事を通し、家づくりに対してずっと抱えていたジレンマ。

 

​ただ家という箱だけでなく、住まいの環境と地球環境も含めた暮らし方を追求していきたい。暮らしの在り方を見つめ直すところからはじめたい。そんな思いが強くありました。

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4.最強のチームを結成

建築にだけにどまらず、大きな視野をもって、想いを共有できる大工さんはいないだろうか?自分より大きな自然というものに対してきちんとした考えを持っていて、思考は柔軟で、学び続ける姿勢をもっている人。

施主、設計士、大工

この3者が同じ想いを共有し、最強で対等のチームがつくれたらどんなにいいか、という気持ちが年々強くなっていきました。

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風雨や地震に耐える構造、そして建てた後のメンテナンスのことを分かっている経験と技術があり、そして何より熱い志のある大工さんがはじめからチームに加わる。

会社や建築士のためにではなく、そこで暮らす人のために、その必要性を痛感しています。

そしてまた、必要以上に施工上での金額の負担を施主にかけないためにも、はじめからつくり手が参加することがプラスになります。

この3者は、上も下もない、対等で顔の見えるチームメンバーです。違う役割を担いながら、同じ目的にむかって協力し合う仲間です。ここで一番大切なのは、「同じ思いを共有している」こと。

私が長い間求めていた大工さんと出会い、2019年チームを組みました。環境にやさしい心豊かな暮らしを求める同じ想いを持つ施主と、最強のチームを組んで仕事をしようと「水と木の間で」を立ち上げました。

代表 平野 裕子

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